Pourtype

貼り付け禁止の入力欄にMacで入力する方法

執筆:Leonard Chow(Pourtype 開発者) · 更新日 · Pourtypeの入力は、macOS 27.0.1でSafari上の貼り付け禁止Webフォームを使って確認しました。
開示:私は Pourtype の開発者です。このページでは無料の方法も含め、すべての方法を紹介します。

結論

貼り付けを止めているのは多くの場合、Macではなくそのページのスクリプトです。まずパスワード管理アプリの自動入力を試し、だめなら、短い文字列は手で打つのが確実です。長い文字列は、クリップボードの中身をキー入力として打ち込むツール(Pourtypeの⌘⇧Vなど)が使えます。

メールアドレスの確認欄や、パスワードの再入力欄で「貼り付けできません」と言われて困った人向けのページです。無料の方法から順に、できることとできないことを正直に書きます。

なぜ貼り付けが禁止されているのか

サイト側は、入力ミスを防ぐために「確認用の欄は自分で打ち直させたい」と考えて貼り付けを止めていることがあります。仕組みとしては、JavaScriptで paste イベントを preventDefault() して、標準の貼り付けを無効にする方法がよく使われます(TechRacho)。

一方で、パスワード欄については、米国のNIST(SP 800-63B-4)が「パスワード管理アプリの利用を助けるため、パスワード入力時の貼り付けを認めることを推奨(SHOULD)する」と書いています。パスワード管理アプリと相性が悪いため、貼り付け禁止はあまり歓迎されていません。

Macやクリップボードの不具合でないか確かめる

まず、原因がそのサイトかどうかを切り分けます。

  1. 同じ文字列を、メモ帳アプリなど別のアプリに貼り付けてみる。貼り付けられるなら、クリップボードは正常です。
  2. 同じサイトの別の入力欄や、別のブラウザで試す。特定の欄だけ貼り付けできないなら、サイトの仕様です。

パスワード管理の自動入力を使う

ログイン情報やパスワードの欄なら、パスワード管理アプリの自動入力が最も手軽です。貼り付けではなく、アプリが欄に直接入力する仕組みなので、貼り付け禁止の影響を受けないことが多くなります。

ただし、自動入力が使えるのはパスワード管理アプリが対応している欄だけです。確認用メールアドレス欄のような通常の欄では、そもそも候補が出ないことがあります。

そのサイトだけJavaScriptを止める・拡張機能を使う

貼り付け禁止はJavaScriptで実現されているため、そのサイトでスクリプトを止める、または貼り付け制限を外す拡張機能を使う方法があります。

拡張機能や見知らぬコードの実行には、セキュリティ上のリスクがあります。中身を理解してから使ってください。また、スクリプトを止めると、そのページの他の機能が動かなくなることがあります。

Macにキー入力させる(AppleScript・Keyboard Maestro)

貼り付けができなくても、キーボードからの入力は受け付けます。そこで、Mac側に「キーを押した」ことにして文字を打たせる方法があります。

どちらもスクリプトや設定を自分で組む必要があります。短い文字列なら、手で打つほうが早い場合もあります。

Pourtype:⌘⇧Vでクリップボードを入力欄に打ち込む

PourtypeはMacのメニューバーに常駐するアプリ(macOS 14以降)で、作者はLeonard Chowです。⌘⇧Vを押すと、クリップボードの中身を、いま選んでいる入力欄に実際のキー入力として打ち込みます。貼り付けを止める欄のための機能です。

ソースコードはGitHubで公開しています。ライセンスはPolyForm Noncommercial 1.0.0で、「ソース公開(source-available)」であり、オープンソースではありません。

方法の比較

方法使える場面必要なもの限界
手で打つ短い文字列なし長い文字列や読みにくい文字列では打ち間違いやすい
パスワード管理の自動入力ログイン情報・パスワード欄対応するパスワード管理アプリ通常の入力欄では使えないことがある
拡張機能・JavaScript停止貼り付け禁止をスクリプトで実現しているサイト拡張機能の導入や開発者ツールの操作動かないサイトがある。ページの他の機能に影響することがある
AppleScript・Keyboard Maestro短い固定文字列スクリプトや設定を自分で組むKeyboard Maestroは長文が遅く絵文字は不可。AppleScriptの日本語は要事前確認
Pourtype(⌘⇧V)貼り付けを止める入力欄macOS 14以降、アクセシビリティと画面収録の権限現在App Store審査中で未発売。Macアプリのみ

この方法を使うべきでない場面

試験、テスト、課題、授業などで、貼り付けや外部ツールの使用が規則で禁じられている場合は、そのプラットフォームの規則に従ってください。このページは、そうした場面での回避を勧めるものではありません。

よくある質問

確認用メールアドレス欄にコピペできないときは?

まず別のアプリや別の欄で貼り付けできるかを確かめ、クリップボードの不具合かサイトの仕様かを切り分けます。サイトの仕様なら、短いメールアドレスは手で打つのが確実です。長い場合は、拡張機能を使うか、クリップボードの中身をキー入力として打ち込むPourtypeのようなツールが選べます。

日本語も入力できる?

Pourtypeは日本語・中国語・韓国語・絵文字を入力できます。ただし、日本語入力(IME)がオンの状態で打ち込んだときの挙動は検証しておらず、ここでは何も言えません。ご自身の文字列で先に試してください。

途中で止めるには?

Escキーですぐに止まります。別のアプリを前面に出した場合も止まります。パスワード欄では、Control+Option+Command+ピリオドで止めます。

パスワード欄では使える?

使えます。パスワード欄(Secure Input)では、入力の保留をせず通常のキー入力に切り替わります。

通信はする?

しません。Pourtypeは処理をすべてMac上で行い、ネットワークには接続せず、データも収集しません。取得・入力した文字の履歴はMac内に保存され、消去できます。

関連ガイド

参考資料